看護部長のメッセージ
- 「自分らしく暮らしたい」を支える看護
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こころの病は目に見えません。そのために多くの患者さんは自分のつらさや痛みを伝えることができずにいます。精神科看護はそんな患者さんの心に寄り添い、一緒に考えることから始まります。
当院は緑豊かな丘の上にある病院です。季節ごとに様々な花が咲き鳥が鳴き風が吹き抜けるなかで、患者さんは暮らしています。患者さんから発せられる様々なSOSに誠実に向き合うためには、確かな知識と熟練した経験知が必要とされています。そのため、充実した教育プログラムを作り、看護師ひとりひとりが学べる環境を提供できるようにしています。
また、気がかりな出来事については事例カンファレンスを行い、何が気にかかったのか、どうすればよかったのかを常に話し合う職場環境を醸成していきたいと考えています。
患者さん個々が自分らしく暮らしていけるように支援していくためには入院中から退院後までのシームレスなケアが重要です。当院では、デイケアや訪問看護の部門と連携して、患者さんと一緒にこれからの暮らしについて考える活動をしています。
そして何より私たち自身も、自分のケアにほこりと笑顔を忘れずに看護を届けていけたらと思います。看護部長 原田 直子
看護部理念
私たちは、港北病院の理念に基づき、組織の一員であることを自覚し、患者さまの生命への尊厳と人権、人格を尊重した看護を目指します。
精神科看護の基盤である精神保健福祉法、看護職の基盤である保健師助産師看護師法を遵守し、患者さまの自立と早期の社会復帰を目指した看護を提供します。
看護実践の中では、患者さまの家族及び関係職種、関係機関と効果的な連携を図り、患者さまがより良い方向へ向かえるよう努力し続けます。
看護部目標
- 組織の一員であることを常に自覚し、患者さまの基本的人権を尊重する。
- 患者さまの自立を目指し、より良いチーム医療に努める。
- 安全・安楽を第一に援助し、事故防止に努める。
- 看護の向上・充実を図るため、自己の研鑽に励み質の高い看護サービスを提供する。
看護部の活動と看護体制
1、看護部の活動
1教育体制
(1)新規採用者への教育支援
- 入職時オリエンテーションと並行して現任者の研修等に参加
- プリセプターからの支援
(2)現任者への教育支援
- 教育委員会が主体となる院内研修会の開催
- 病院内各部署による研修会(月1回)
(3)院外研修
- 日本看護協会・神奈川県看護協会
- 日本精神科看護協会
- 日本精神科病院協会・神奈川県精神科病院協会
- 神奈川県精神保健福祉協会
- 関係団体主催による各種研修会への参加・派遣
実習指導者研修等資格取得によるキャリアアップを目指したい方の相談・支援をします。
2院内多職種間会議に看護職として参画
医療安全管理委員会・地域移行推進会議・退院支援会議・褥瘡対策委員会・感染防止対策会議
行動制限最小化委員会、薬事委員会、栄養委員会、多職種連携調整会議等
3看護方式と看護記録
- 看護方式
当院での日々の看護は受け持ち制です。日々の看護とは別に患者さまの入院から退院までを一人の看護者が継続的に受け持ち、医師・精神保健福祉士・作業療法士等、多職種と連携しながら早期回復、早期退院を目指すかかわりをしています。 - 看護記録
看護記録はPOS(問題志向型システム)の考え方を活用したSOAP方式を使っています。活用経験のない方にもわかりやすく説明します。
2、病棟の特徴と看護体制
第1病棟男女混合開放病棟
1病棟は、開放病棟ならではの穏やかな雰囲気を持つ病棟です。筋力アップ・口腔ケア・排便ケア・退院支援強化の4つのチームを組み、1人の患者さんを多面的な視点で看て、より健康的に生活できるよう合併症予防や患者さん自身のセルフケア向上に向けて取り組んでいます。
退院支援や地域移行支援では、医師やPSWと連携しながらストレングスマッピングシートやクライシスプランを活用して患者さんの希望や目標に寄り添い、患者さんの自己実現に向けて支援を行っています。
看護補助者・クラークを含めた看護スタッフは、個々の経験や知識、強みを活かして活躍しています。患者さんもスタッフも自分らしさを大切にしていけるような病棟を目指しています。
第2病棟女子閉鎖病棟
精神科急性期および慢性期の女性患者さんが入院しています。
精神科看護に習熟したメンバーと一般病院を経験しその知識を精神科看護に活かしているメンバーが協働し活躍しています。また、ライフワークバランスを大切にし、子育てと仕事を両立しながらもやりがいをもって日々の業務に当たっています。
患者さんにとって入院生活は、療養環境であるとともに生活の場でもあります。看護カンファレンスを積極的に実施し、患者さんのニーズに応じた環境を提供しています。また、
薬剤や看護方法についても学習会を開き、最新知見を共有できるように取り組み、安心・安全かつ質の高い看護実践を目指しています。
第3病棟男子閉鎖病棟
精神科男子閉鎖病棟では、急性期から慢性期まで幅広い患者さんを個別性に合わせた看護をしています。私達は、精神科看護についての知識を深めるため継続的に学びを積みながらエビデンスに基づいた安全な看護ができるようにベストを尽くし続けています。
例えば、定期的な研修や学びの機会を通じて最新の医学的知識やスキルを習得しています。患者さんが、よりよい生活を送れるように社会生活に近い療養環境をつくるための工夫にも取り組んでいます。
また、働くスタッフにとってもワークライフバランスは非常に重要です。スタッフの健康と公私ともに充実した時間を過ごせるように働きやすい環境を整えています。当病棟では、様々な年代のスタッフがそれぞれの役割に応じて活躍できるような柔軟な勤務体制です。
これらの取り組みを通じて、患者さんの安全で安心できる看護を提供することを最優先に考え地域社会にも貢献することを目指しています。